こんにちわ。

世界最小だったはずが、ついにライバル、というか各社一斉にこのQシリーズの牙城を崩しにやってきたようですね。

 フルサイズ(35mm)センサーのSONY α7
 マイクロ4/3のPanasonic GM1 / OLYMPUS STYLUS1
 XマウントのFUJIFILM X-E2

パっと見では、この 4機種がQの牙城に攻め込んで来たように感じます。

でもまぁ、SONYのフルサイズは新機軸の1番目なので、後2回バージョンアップするのを待った方が得策というのはいつものSONY製品のことなので、手を出す必要は無いかもしれません。
でも、フルサイズを押し込めるという一例になるので、各社もリコーイメージングもどうするか気になります。
 
Panasonic GMは小さいことは小さいのですが、おそらくシャッタースピードの制限が大きく、どこまで使えるかは見守る必要があると思います。

個人的に完全なライバルになっていくのはFUJIFILMのXシリーズなんじゃないかと思っています。
レンズの豊富さ、わりとアナログ的な使いやすさ、ポートレートや背景に特化するメニュー。
FUJIFILMは昔から描写力はあるけどちょっと嘘くさい色を出すメーカーでしたが、印刷するともの凄く奇麗に感じる絵作りをしています。

さて、こんなに「小さい」ことへのライバル機が増えてしまった今、PENTAX Qとして何が特徴で、これを選ぶ理由になりえるのでしょうか。今すぐ全てのレンズを売っぱらって別なメーカの機種へ移行すべきでしょうか。

私が思うQ7の良い所、を少し載せてみます。少しでも下記特徴(長所)が重要なんだと思っている私と同じような気持ちの人は、まだ待った方が良いと思います。

(1)カスタムイメージをすぐに呼び出せるクイックダイヤル
(2)バランスが良く使いやすいデザインとUI
(3)手軽な魚眼レンズ 


IMGP0922
02 STANDARD ZOOM 0.4s F2.8 ISO200

IMGP0923
02 STANDARD ZOOM 0.5s F2.8 ISO200

カスタムの一例として、ハードモノクロームがあります。クイックダイヤルで簡単に切り替えられます。
同じ被写体でもカラーで撮る場合とモノクロで撮る場合のイメージが違う一例を載せてみました。
ちょっと手ぶれてるのは室内の暗めのところだったのを意識せずISO200のままシャッタースピードを直さずスナップしてしまったためです。

このように、ちょっと口元への撮影角度と色の雰囲気を変えるだけでオブジェが大笑いしているようなイメージを簡単に表現することが出来ます。
この辺がキモでして、「絵」っていうのはちょっとした被写体へのカメラの向きを変えてチョっと色を変えるだけで結構イメージって変わるんですよね。
その変化を簡単に見つけられるクイックダイヤルがあるのはQシリーズの最大の特徴だと思っています。

また、同じように割当の出来るカスタムイメージの「極彩」も楽しいです。あえて嘘くさい色を強調することにより、ポスターのような絵作りも簡単に行うことが出来ます。

IMGP0709b
01 STANDARD PRIME 1/60s F1.9 ISO100 (blog用に75%に縮小しJPEG劣化保存)


 ちょっとデータが大きすぎてしまい、ここにアップ出来ないのでリサイズして載せました。
色を極彩として強調することで、異世界のような写真も撮ることが出来ます。絵を描いたんじゃないか、みたいなものも大得意です。
この乳母車の写真も、普通にとったら普通のちょっと古い置物としか写りません。もっといえば古く汚くなっている部分もあるかと思います。そこを敢えて色を強調することにより、ディティールの良さを捉えつつポップな絵画のように撮ることも出来ます。


また、縦持ちでも横持ちでも非常に使いやすい「厚み」があり、露出へのアクセスもISOの調整も簡単にできるダイヤルがあります。これも非常に使いやすい。
この適度な右側の厚みが、縦持ち片手持ちの際に非常にありがたいのです。薄ければいいってものじゃない。これはマグネシウム時代の初期Qから(微妙なとこですが)大きな進歩をしている形状の良さで地味な改良の結果です。

IMGP4370
03 Fish-Eye 1/30s F5.6 ISO200

魚眼レンズも無茶苦茶楽しいです。
1万円しないで購入出来、かつ100%もとが取れるレンズです。動物好きなら絶対に確保したいレンズです。このレンズはマニュアルなんですが、マニュアルといっても絞りが固定のレンズなため、操作するのはシャッタースピードとフォーカスだけです。

でも魚眼は「もの凄く接近」か「もの凄く遠く」を切り取ることが多いため、ピントリングを左右のどちらかに振り切って使うことが非常に多く、マニュアルの面倒な考えはほとんど必要としません。
多少絵がザラついても良いから「手ぶれ」ていない絵を撮りたい時にはシャッタースピードを稼ぐためにISOの値を大きく(1600まであげれば十分)し、そうでないときはザラついたノイズを抑えるためにISO200をぐらいにしておきます。これで十分な魚眼の絵が得られ、楽しくなります。

広い景色を撮るのも良し、ペットなどの動物の鼻っ柱を強調して撮るのも良し、非常に楽しいレンズです。この魚眼を本格的にやるには、そりゃぁ、5万近いレンズを買って愉しむとかになるんでしょうけど、Qシリーズの魚眼は非常に安価、Q7の安価さも相まってコストバランスがいいコンビです。

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これらの長所がQ7にはあり、「自分で色々な絵を一期一会で作ってみたい」と思う人には最高のミニチュアカメラです。
あ、ここがミソなんですが、 RAW+とかで保存し、後から絵をいじる人は結構居ると思います。かつての私もそうでした。撮った画像はほとんどPhotoShopに持っていって触っていました。

後からいじるのはデジタル時代の本当に良きスタイルだと思いますけど、その場その場で見て「こうしたらどうなるかな?」っていうのを考えながら写真を撮る方が、本当は一番楽しいと思っています。
撮ったものを見せるための写真なら、後からいじれる方が良いと思うんですけど、「撮ることそのものを愉しみたい」人を素早く満たしてくれるカメラは他のメーカーが「サイズ」を真似てもまだまだ到達出来ていない部分じゃないかな、って思っています。

Q7を買うか買わないかは、買う人が写真を撮ることに何を求めているのかでハッキリ分かれると思います。