こんにちは今日はついに使い出してみた、ずっとダイヤルに居座っていながらも、なかなか使うことのないあのモード、BC:ボケコントロールについてのお話です。


このモード、モードダイヤルを廻すだけで簡単にボケ効果を得られるという優れもの機能で、PENTAX Qのウリの一つとして存在しているものなのです。

が、如何せん、シャッターを押してから撮影が完了するまで時間が10秒近くかかるため、せっかちな私はうっとうしくて待てません。だから、買ってすぐの頃に数枚撮ったきり、全く使っていませんでした。


使ったからと言ってとてもきれいなボケが得られるかどうかは別。なかなか難しかったのでそれもあります。


このBC機能をうまく使うには、ちょっとコツがいるようです。


IMGP2446

06 TELEPHOTO ZOOM 1/160s F2.8 ISO1250 BC



まず対象の後に空間があって、でも背景の対象となる物体が存在しているようなシーンを見つけるのが第一歩。『1m以上後ろに何かある処』を見つけるのが先です。出来れば明るく太陽サンサンなとこ。

これはどんなレンズでも背景を綺麗にボカすときの基本でしたよね、たしか。

この状態の構図を見つけられなければボケはどんなにいいレンズを使っても作れません。

次に、オートフォーカスのレンズが必要になります。

ボケコントロールの仕組みは、おそらく明るめのレンズでなら作れる被写体深度が浅い描写、あれを機械的にフォーカスを制御して再現しているような動作だと感じています。

決めた位置の絵を残し、ピント合わせを機械でコントロールしあえて前後にピントが合っていない像を別に準備し、それを元の絵と合成して作り出しているんじゃないかと思います。

だから明るくないF値のレンズでも「被写体深度の浅い絵」っぽい感じを作れるのだと思います。

本来なら出来るだけ明るいオートフォーカスのレンズを使わないと作れないはずのピントの奥行きが浅い絵を、ピンボケの状態の絵と合成してうまく重ねて作れば確かに同じものになりますね。

主役の輪郭さえちゃんと撮れていればの話ですが。



そこが肝心なところで、それならベースからしてボケが出しやすい、やっぱり明るいにした方が絵が作りやすいんじゃないかと。
そうなると、つまり01 STANDARD PRIMEや06 TELEPHOTO ZOOMのレンズがこのボケコントロールに向いているんじゃないかと思います。そう、01番なんか、F1.9なのにあんまりボケてませんし、06番はF2.8で望遠端を使うとボケを作りやすいのですが、それ以外で絞っているとナカナカやりにくいですから、そういう弱みを補う機能だと思います。

明るく光がたくさんある時の方が上手くいきやすいので、もし02 STANDARD ZOOMでやるならば明るい日中の日差しが強めの時間にやる方が良いのかな。

そうすることでF値を小さくできますから。


絵はピントを合わせている場所を中心としてそれ以外が溶けていきます。この時、中央測光焦点にしていても上手く真ん中が残ってくれないのでイライラものです(笑)

IMGP2442

06 TELEPHOTO ZOOM 1/125s F2.8 ISO125 BC

#ど真ん中を残せなかった例



カメラのシャッターボタンを押すとゆっくりとフォーカスを元の位置からズラしていきます。

この時にカメラ本体を出来るだけ動かさないようにします。この時間が嫌。待ってるの辛い(笑)



そうするとピントが合っているところを残し、ボケ効果の絵を合成で作ってくれます。

これ使うよりもモードをAEにしてF値を小さく、つまりできるだけ開放にした方が楽ですよね。

しかしながら、ISOの値を上げたくない場合などで、このBCが活きてくるようです。



IMGP2444

06 TELEPHOTO ZOOM 1/320 F2.8 ISO100 BC

#割とうまくいった例


正直、中央に残したいものを持ってくると失敗がしやすいようです。中央に残す場合、大きめの対象を作らないとダメっぽいのですが、それだったら06番で普通にボケてくれるので、どうにも意図通りにならなくて難しい。

上記の写真でも葉っぱの端っこが意図にそぐわないボケを作っています。うーん・・・。



IMGP2441

06 TELEPHOTO ZOOM 1/160s F2.8 ISO100

#普通に対象を大きくした例でBCなし

まあ、正直言うと、安めのマウントアダプタと古いKマウントのレンズ、例えばPENTAX-M F1.4とかのオールドレンズを使ってマニュアル操作に慣れた方が100倍綺麗だとは思います。

中華製のアダプタにヤフオクとかで3〜5千円の古いPENTAXや旭光学時代のレンズやリコーのレンズ漁れば簡単に遊べます。


IMGP2596

smc PENTAX-M 1:1.4 with KQ Adapter 1/5000(1000)s F4 ISO250 青抽出



もちろん、06 TELEPHOTO ZOOMだけでも十分ボケは作れるので、やっぱりこのBCモードはオールドレンズがあれば、使わなくなるのかなあ?


もう少し色々追求してみる必要がありそうです。